【テレコム】
急増する顧客に応える、サービス品質。
国際電話サービスの主要顧客は、在日外国人である。この特殊な市場を切り拓いてきた国際電話サービス事業者がブラステルだ。先払い、後払いの多彩なサービスは、低価格だけではなく、つながりやすさや利便性といった品質の面でも高い評価を得ている。そのブラステルのサービスでいま最も注目を浴びているのが、リチャージャブルな国際電話カード「スマートフォンカード」である。「お客さまには便利さを、我々にはコストダウンによる競争力をもたらす画期的なカードシステムです」と田辺淳治代表取締役は胸を張る。いままでのプリペイドカードは、最初のクレジットがなくなれば新しいカードを購入しなければならない。しかし、「スマートフォンカード」は、同じカードに何度でも利用料をチャージできる。いわば、期限切れのないプリペイドカードだ。その便利さが人気を呼んだ。ブラステル側にとってもメリットは大きい。最初はクレジットがゼロだから販売コストがかからない。プリペイドだから、未払いというリスクもない。もちろん、顧客も囲い込める。このビジネスモデルに他社は追随できなかった。理由の一つは、顧客指向のマーケティング力の違い。外国人コミュニティに対してブラステルは各国ネイティブのスタッフを配して、きめ細かなマーケティングを行った。ライバルが市場規模に気づいたときは既にブラステルのマーケットは固まっていた。もうひとつの理由は、システム開発の手法である。
「顧客管理も電話交換のシステムもすべて自社開発です」。世界240カ国への接続、9カ国語でのカスタマサポート。既存のアプリケーションでは、このような特殊なビジネスに対応できない。さらに、過酷な競争に勝つためには、市場ニーズに応えるプロモーションを頻繁に行う必要があった。自社スタッフが、毎日のようにシステムを改良することで、他社をリードするビジネス展開のスピードが可能になったのである。「スマートフォンカード」はまたたくまに市場を独占した。しかし、この成功は、同時に新たな問題も生み出していた。
コールセンター業務シーン
スマートフォンカード」の発行枚数は既に300万枚を超えていた。トラフィックは1日約10万コール。しかも、年々倍増している。ブラステルの競争力の源泉であるサービス品質を維持していくためには、将来を見越したシス テム基盤の整備が求められていた。「電話サービスは、24時間、365日、絶対に止まってはいけない。何よりも信頼性の向上が必要でした」ブラステルのシステムは、電話交換システムとそれと連動してプリペイドカードの顧客IDの認証と課金を管理するデータベースサーバ、さらにカスタマリレーションを管理するアプリケーションサーバ、そしてそれらを結ぶネットワークからなる。サーバはWindows NTベースのPCサーバである。ブラステルのシステム部門は、これらの二重化でシステムの信頼性を高めようと考えた。ほとんどは容易に二重化できたが、唯一データベースサーバだけは、違った。
「問題の第一は、コストです」。
とチーフシステムプランナーの大津山寛之氏は語る。データベースのクラスタシステムでは、データベースソフトのライセンス料もサーバごとにかかる。Windows、UNIX、それぞれのシステムの見積を取って比較検討したが、どちらも高額だったという。
「将来のコスト増も心配でした」。ビジネスは急速に成長し続けている。高価なシステムをいま導入しても、近い将来また増設しなければならないのは目に見えていた。コストダウンを迫られるなかで、このような出費を繰り返すことは難しかった。「さらに、移行スピードも大きな問題でした。クラスタシステムでは移行に時間がかかるのです」。
クラスタリングシステムへの移行には複雑な設定が必要になる。システム環境が変わるとスタッフも新たなスキルを身に付けなければならない。移行のスピードと信頼性を両立するソリューションを探していたブラステルに代理店からストラタスの無停止型IAサーバ「ftServer」の打診があった。
「データベースサーバとしての役割を考えたとき、信頼性もコストパフォーマンスも一番だ、とすぐにそう思いました」。と田辺代表取締役と大津山チーフシステムプランナーは口をそろえる。
信頼性。ftServerは、CPU、メモリ、ディスクなどすべてのコンポーネントが二重化され、万が一、片方の部品に障害が発生しても正常に稼動を続ける。これによりIAサーバのクラスタシステムを上回る連続可用性を1台で実現できるのである。トラフィックの急増に伴いサーバダウン時の推定損失金額も増加していたブラステルにとって、これは大きな価値を意味していた。
価格。しかもその価値が、他のクラスタシステムより安く手に入る。これは将来のシステム拡張においても大きなメリットになる。「そして、もうひとつの魅力はシングルサーバイメージです」。導入の容易性。ftServerのコンポーネントはすべてハードウェアレベルで多重化されている。ソフトウェアからは、通常の単体サーバとまったく同じように見える。OSもWindows 2000を搭載しているので、Windows NT上のSQL Serverで開発された既存のデータベースをそのまま、移植できる。もちろん、クラスタシステムのような難しい設定もいらない。ftServerの導入が決まった。
システム図
現在、ftServerはまだ稼動していない。実は、導入後に新たなビジネス展開がスタートしているのである。田辺代表取締役にお聞きしよう。
「アメリカの市場もターゲットにしようとしているのです。いままで日本にだけあった電話交換機をアメリカにも置こうとしています」。アメリカは移民の国である。外国人の数は日本よりもはるかに多い。ブラステルはこの巨大市場を狙っているのである。このためには、交換機だけではなく日米双方にデータベースを置き、その同期を取らなければならない。現在、ブラステルではそのデータベース構造の再設計に取り掛かっている。
「今秋をめどに、作業しています。これができたときは、もちろんftServerにフルに活躍してもらいます」。※
顧客指向のサービスによって、日本国内の国際電話サービスの品質を高めたブラステルは、いま海外にもその活動領域を拡大しようとしている。その品質へのこだわりをストラタスの無停止型サーバが支えていく。
※ 2002年5月、予定よりも早くカットオーバー。本システムの稼動を開始した。
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ブラステル株式会社 代表取締役 田辺淳治氏(左) |
| ブラステル株式会社 チーフシステムプランナー 大津山寛之氏(中) |
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| ブラステル株式会社 システムプランナー 春日セルジオ隆司氏(右) |
| 社名 | ブラステル株式会社![]() |
| 本社 | 東京都台東区三筋1丁目1番19号玉田ビル |
| 設立 | 1996年12月2日 |
| 資本金 | 3,000万円 |
| 事業内容 | 国際電話サービス |
| 従業員数 | 110名(平成14年1月末現在) |
| URL | http://www.brastel.com |
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