【公共・公安】
数十万世帯の自動振替データを確実に電送
高信頼のftServerと先進EDIパッケージによって、自動口座振替依頼データの電送化システムを構築したビック東海。
地域に密着した多彩なサービスを提供するTOKAIは、それらサービス料金を顧客口座から引き落とす自動口座振替依頼データを金融機関との間で電送化するシステムを導入した。
毎月の料金の自動振替を確実に実行する信頼性を確保するために採用されたのは、ストラタスの無停止型サーバとTOKAIグループビック東海のEDIパッケージである。
ショールームを備えたTOKAI情報センター(静岡県焼津市)
長引く不況に低迷する地方経済にあって、快進撃を続ける企業がある。拠点を置く静岡県から関東一円までの広域にわたって、LPG・都市ガスから、情報通信、住宅、セキュリティ、保険、婚礼祭事にいたるまで、多彩なサービスを提供するTOKAIである。なかでも近年は、全国有数の視聴者数を有するCATV 事業やCATVインターネット、自社保有の光ファイバー幹線を活用したADSLなど、情報通信分野への進出が著しい。
「お客さまの生活のさまざまな場面に役立つサービスを提供することで、一般のご家庭一軒一軒とのパイプを太くしていきたいのです」と、株式会社TOKAI 合理化推進部次長早川寿美氏は語る。TOKAIは、エネルギーからコミュニケーションまで、暮らしに直結した基盤サービスを総合的に提供する企業なのである。もちろん、それらのサービス料金は多くの場合自動引落しによって、各顧客の口座から引落とされる。
「この口座振替に伴う作業を効率化する必要がありました」
口座振替の作業は、どのサービスでも共通だ。CATV、インターネットや50万件を超えるLPガス顧客のガスの使用量を、情報センターのホストコンピュータがそのデータを料金表と照らし合わせて、料金を計算する。さらに、金融機関ごとに金額データを作成し、引落しの依頼をするのである。問題は、金融機関とのこのデータのやり取りだった。従来は、ホストコンピュータにより磁気テープ(MT)を作成し、静岡銀行、スルガ銀行などの地銀や都銀、郵便局、JAなどの各金融機関に発送していた。この物理的なやり取りでは、モノを運ぶための時間が1日、2日かかる。
「経営上の視点からもこの遅れを解消することが大きな課題だったのです」
金融機関とのデータのやり取りを電送化すれば、MTの作成や発送の作業はいらなくなる。MT設備の費用も搬送のコストも削減できるし、口座振替の作業もスピードアップできる。さらにエントリしたデータに対する確認、修正の時間も生まれ、顧客に対するより信頼性の高いサービスも実現できるのである。ただ、この電送化を実施するにあたっては大きな条件があった。
「何よりも信頼性が求められていました。自動振替は、お客さまの口座からお金を引き落とさせて頂く大切な業務なのですから」
LPG・都市ガスの供給からシステムの開発まで、様々なサービスを提供するTOKAIグループ
電送化のためのシステム構築を実際に担当したのは、TOKAIグループのシステムインテグレータであるビック東海である。企業向けADSLネットワークの構築など、東名間の光ファイバー幹線を活かした通信サービスやシステム構築によって、情報分野におけるTOKAIグループの躍進を支える企業だ。SI事業部ITシステム部システムグループ統括リーダの増田昌之氏にシステム構築のポイントを伺おう。
「まず、我々自身のシステム構築のノウハウを活かそうと考えました」
ビック東海が選択したのは、自社開発のEDIパッケージ「Java File Transfer System:JFTサーバ」だった。各種プロトコルのサポート、定例的な集配信スケジュールの自動化、Webブラウザによる運用監視などを標準装備し、高信頼でスピーディなEDI導入を推進するパッケージである。
「課題は、このソフトウェアの信頼性を活かす、高い可用性をもつハードウェアの選択でした」
当初考えられていたのは、UNIXのクラスタ構成。しかし、具体的に調べるにつれ、その問題点が明らかになっていったという。
「何よりも、費用がかかるのです」
ハードウェアの購入価格も高かったが、いちばんのネックはその後のランニングコストだった。シングル構成ならば比較的安いUNIXシステムも、クラスタ構成にすると運用保守に膨大な費用がかかる。これでは業務の効率化のための電送化を実施することで、逆にコストが上がってしまう。
「さらに、開発期間の問題もありました」
システムの具体的な検討が始まったのは2002年の1月。TOKAIからは予算の関係から、2001年度中に複数の金融機関に対する電送化の実施が求められていた。複雑なミドルウェアの設定が必要なクラスタ構成のUNIXシステムで開発をしていては、この要望にも応えられない。
「困っていたところ、社内のSI営業部から耳寄りな情報が寄せられたのです。我々の条件に合うハードウェアのプラットフォームがあるということでした」
「何よりも信頼性が求められていました。 自動振替は、お客さまの口座からお金を引き落とさせて頂く大切な業務なのですから」
ビジネスパートナーとして、長年ストラタスと連携してきたSI営業部が紹介したのは、ftServerだった。完全二重化されたCPU、メモリ、ディスクを備え、万一の場合も障害検知メカニズムが自動的に片系障害システムを切り離し、連続稼動を実現する可用性にまず注目したと増田氏は語る。
「電源を落とさずに業務を継続することができる。これならば、金融機関との間でお客さまのデータをやり取りするにあたっても信頼性が保てると思いました」
しかも、ランニングコストも安い。クラスタ構成のUNIXシステムと比べると月額十数万円も違ったという。
「まさに、今回のニーズにぴったりでした」
システム構築が始まった。構築スピードも速かった。ftServer上で稼動するソフトウェアは、EDIパッケージJFT/Server for Windowsとファイル転送パッケージHULFT for Windows。どちらもパッケージ製品だから、ソフト自体のカスタマイズはほとんど発生しない。2CPU構成のftServerも、OSやアプリケーションからは1台に見えるシングル・サーバイメージ。クラスタシステムに不可欠な複雑な設定やミドルウェアなども不要だった。システムの構築、移行を担当する情報センター運用課紅林宏充氏はそのメリットを強調する。
「ハードの二重化構成により安心して運用でき、使い慣れたWindows環境がそのまま使えることで、システム開発もその後の運用もスムーズに行えたのです」
ソフト開発は2月末にはすべて完了。金融機関ごとの電送データ作成の作業も3月中旬までには終わり、2001年度中に4金融機関とのデータ電送が開始された。
数十万世帯の自動振り替えデータを電送するftServer3210システム
現在、自動口座振替依頼データ電送化システムでは、ホストコンピュータが作った振替データがftServerに渡され、JFTサーバによって金融機関に送られ、さらに金融機関から受け取った結果データがftServerを介してホストコンピュータで処理されている。50万を超える顧客の膨大な振替データの電送にあたって、障害は一回も起こっていない。TOKAIの早川合理化推進部次長は語る。
「振替処理は、月次処理で24時間365日という業務ではありません。しかし、いったん動き出したら障害は許されない。この信頼性を実現するにあたってはftServerの高可用性が不可欠だったのです」
ビック東海の増田氏は、WindowsベースのftServerが、企業のIT活用を変えるポテンシャルをもっているという。
「システム構築のノウハウがなくても、高度な可用性を備えたシステムが手軽に導入できる。我々のJFTサーバと組み合わせれば、中小規模の企業でも先進のEDIシステムがいますぐにでも構築できるでしょう。MTやFDでやり取りをする時代はもうすぐ終わると思います」
TOKAIにおける各金融機関との接続作業は現在も進められている。2002年度末までに全部で31金融機関に広がる予定である。
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株式会社ビック東海 情報センター運用課 紅林宏充氏(左) |
| 株式会社ビック東海 SI事業部ITシステム部 システムグループ統括リーダー 増田昌之氏(中) |
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| 株式会社TOKAI 合理化推進部次長 早川寿美氏(右) |
| 社名 | 株式会社TOKAI![]() |
| 本社 | 静岡県静岡市常磐町2-6-8 |
| 創設・創立 | 昭和25年12月 |
| 資本金 | 140億 |
| 事業内容 | 静岡県および関東領域における、エネルギー事業、 情報通信事業、住宅建築事業、保険事業、他 |
| 従業員数 | 2,500名 |
| URL | http://tokai.jp/ |
| 社名 | 株式会社 ビック東海![]() |
| 本社 | 静岡県静岡市常磐町2-6-8 |
| 創設・創立 | 昭和52年3月 |
| 資本金 | 21億1,220万円 |
| 事業内容 | システムのコンサルティング・設計・構築・運用、 ソフトウェア開発、プロダクト・ハードウェア提供、ネットワーク構築、 データセンター、各種インターネット接続事業(ADSL、CATV、 ダイアルアップ)、 CATV放送、インターネットデータセンター、 ISO9001:2000取得 |
| 従業員数 | 599名(平成14年4月現在) |
| URL | http://www.victokai.co.jp/ |
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