【医療・福祉】
地域中核急性期病院での医療総合情報システムを支える信頼のサーバ
友愛記念病院
茨城県の友愛記念病院は、電子カルテを中心とする医療総合情報システムのサーバをストラタスの無停止型ftServerに置き換えることで、24時間止まることのない業務基盤を構築。眠らない病院の止まらないシステムが地域医療を変える。
少子高齢化や医療制度改革の中で、病院にも競争に打ち勝つ経営の「効率」とより高いサービス価値としての医療の「質」が求められている。改革はどのように進めていけばいいのだろうか。答えの一つはITの活用。電子カルテから医療事務まですべての院内業務のシステム化を 積極的に推進している茨城県の友愛記念病院を訪ねた。
友愛記念病院は、全国で唯一、都道府県民共済を扱う生活協同組合が運営する病院である。ベッド数316床と病院としては中堅規模であるが、2006年2月に新築した病院は、「日経ニューオフィス賞」を受賞するほどの快適性と機能性に優れ、22の診療科に加え健診センターや2次救急の機能も備え、地域医療の中核病院となっている。平均在院日数も14日と短く急性期病院としての効率もいい。
今でこそ医療機関としての競争力を備えてきている友愛記念病院だが、以前は課題が少なくなかった。一体何が課題だったのか。
「患者を中心とした医療の実現です。そのためには情報の共有と業務の効率化が不可欠でした」
と、加藤奨一院長は語る。
まず、情報の共有。1日あたり数百人の外来患者の中には複数の診察科を回る人が少なくない。このような場合、多くの診療科を持つ病院のデメリットが顕在化してしまう。従来の紙のカルテでは、他の診療科で行った検査の結果や治療内容がすぐに分からないのである。専門化が進む中で医療の質を向上させるには、各専門医がお互いに一人一人の患者の情報を共有できるしくみ---電子カルテの導入が必須だった。
さらに、業務の効率化。組織が大きくなれば事務も増加する。同じ内容を違う用紙に何度も書き込むことも増えていく。医師や看護師をこうした煩雑な作業から解放しなければ、診察の時間も確保できない。
「待たせない病院も課題でした」
患者数が増え続ける中、サービスという視点から、予約システムも求められていた。
「これらは、一部の組織の改善では実現できません。私たちは病院全体の改革を進めようと考えていました」
1999年、すべての院内業務を対象にした医療総合情報システム「名医(MEII : MEdical Information Interface)システム」の構築プロジェクトがスタートした。
「導入に当たっては、現場の使い勝手を重視する点、業務ごとに順次構築できる点を考慮し、多少コストと時間はかかりますが1からの自主開発を選択しました。」
と語るのは、病院全体のシステム化推進の中心となった高田直樹情報企画室長である。
共同開発のパートナーとしてモイス研究所が参画。導入効果の高い業務から順次システム化が進められていった。モイス研究所システム部医療チームサブリーダー佐藤忠志氏は語る。
「その当時、何度も現場に足をはこびながら、情報企画室の方々とともに業務ニーズを探っていきました」
院内の一部では個人の医師が作った処方箋発行、診察予約のシステムが利用されていたが、これらもPCサーバに移植されていった。情報の共有と業務の効率化が病院全体に行き渡っていく。便利で使い勝手が良いため、システム化に戸惑っていた医師もそのメリットを実感するようになったという。
「ところが・・・、そのときサーバダウンが発生しました」
受付予約もできなければ医師の診察や処方箋発行もできない。検査依頼や過去の診療データの閲覧も行えなかった。そのときの混乱は丸一日続いたと高田室長はいう。
障害復旧に手間がかかったのも問題だった。当時のサーバ群は3台のサーバそれぞれにバックアップを立てた6台構成。障害時の切り替えも復旧後のデータの整合性確保も手動。膨大な時間がかかった。
同じようなサーバダウンがもう一度起きるにいたって、友愛記念病院はサーバの信頼性を確保するための抜本的な施策を検討し始めた。
「まず、検討したのはクラスタシステム。しかし、問題がありすぎました」
まず複雑な設定が必要であるということ。システムのプロではない病院のシステム担当者ではこれは難しい。さらに専用のシステム開発が必要であること。もちろん、これには余分な費用がかかるし、時間もかかる。
「名医システムは、数年をかけて順次構築していくシステムです。構築時の変更作業がスピーディに行えないしくみは選べませんでした」
選ばれたのはftServerだった。導入のポイントは、何だったのだろうか。
「ひとつは高信頼性のしくみがシンプルで理解しやすいこと。だから、システムのプロでない私たちも安心して使えるのです」 高田室長と共に情報企画室でシステムの企画、開発、運用を担当する吉沼氏と須藤氏は声をそろえる。
複雑な設定がいらないハードウェアの完全2重化構成。万一の場合は、障害検知メカニズムが2重化されたCPU、メモリ、ディスクの片系障害システムを自動的に切り離す。人手もいらないし、クラスタシステムのような特別なスキルも不要なのである。
「そして高信頼性を実現するにあたって、管理する側に負荷がかからないこと」
障害時に何もしなくても、システムは動き続ける。リモート監視されているため、故障も迅速に把握できる。ハードウェアが2重化されていても1台のサーバだから、運用にも手間がかからない。
「さらにアプリケーションの開発の容易さ。1台のサーバとして開発すればすむのですから」
2重化されたハードウェアも、OSやアプリケーションからはひとつに見えるので、一般的なアプリケーションが何の問題もなく稼動する。最初は既存のシステムの移植だったが、その後のシステム拡張においてもこれは開発期間の短縮やコストの削減といった面で大きなメリットになる。
1台目のftServerは、中核システムとなる電子カルテ(現在はモイス研究所より電子カルテパッケージ「HOSLINK」として販売中)のサーバとして2002年の12月導入。わずか1ヶ月間のテスト期間を経て導入が完了。そして2005年末、新築移転に伴う病院規模の拡大や機能追加に合わせ、データベースサーバ、グループウェアサーバ、アプリケーションサーバとして3台を導入。この時も通常業務に支障をきたすことなく、2ヶ月足らずでシステム拡張を実現した。さらに2007年1月には、病院と病院の運営母体である生協のデータを共同で保管する、データバックアップサーバを追加導入した。
こうして名医システムは、病院の業務基盤にふさわしい高信頼のシステムに生まれ変わった。
導入以来、ftServerには何のトラブルもなく稼動している。その信頼性を基盤に友愛記念病院は、今後さらにシステム化を進めていく。
電子カルテは部門によってはまだ紙のカルテと併用しているところがあるが、今後は紙のカルテをなくし全て電子化を行う予定だ。また放射線部門においてもフィルムレス化が進行中で近いうちに完了の予定だ。
着々と名医システムが拡張される一方で、もう一つ大きな目標があった。
「包括医療制度への対応です」。加藤院長は語る。診療行為ごとに料金を計算する従来の出来高払い方式から、1日当りの点数の包括評価で支払い料金を決定する方式へと、厚生労働省から採用の指針が出されている。
「病院としての競争力を高めるには包括医療制度への対応が必須です。」
そして佐藤氏。
「名医システムも包括医療制度に対応したものへと変更が必要となります。しかしftServerがあるのでスムーズなシステム変更ができるので安心です。」
最後に高田室長にお言葉を頂こう。
「今後、多くの病院で電子カルテなどの導入が積極的に行われるでしょう。当然、それらは止められないシステムのはずです。そのときハードウェアの選択に迷うのであればポイントは運用です。専任のシステム担当者の配置や巨額のサポート料に余裕がないのであれば、私がおすすめするのはftServerです」
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友愛記念病院院長 医学博士 加藤奨一氏(左) |
| 友愛記念病院 情報企画室長 高田直樹氏(中) |
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| モイス研究所株式会社システム部医療チーム サブリーダー 佐藤忠志氏(右) |
| 社名 | 友愛記念病院![]() |
| 本社 | 茨城県古河市東牛谷707 |
| 開院 | 昭和56年1月 |
| 診療項目 | 消化器科・一般内科・循環器科・呼吸器内科・糖尿病科・血液内科・ 腎肝臓科・外科・血管外科・大腸肛門科・乳腺甲状腺科・小児科・眼科・ 整形外科・脳神経外科・泌尿器科・皮膚科・放射線科・麻酔科・化学療法科・ 緩和ケア科・放射線腫瘍科 |
| 職員総数 | 391人(2007年1月末現在) |
| 病床数 | 316床 |
| URL | http://www.yuai-hosp-jp.org/ |
| 社名 | モイス研究所株式会社 |
| 本社 | 東京都千代田区麹町2-2 KIHOHビル |
| 創業・創立 | 平成9年2月18日 |
| 資本金 | 2億2430万円 |
| 事業内容 | 医療・福祉系システム・パッケージソフト開発及び販売 業務システムの受託開発、システムコンサルティング 他 |
| 従業員数 | 66名 |
| URL | http://www.mois.co.jp/ |
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