【医療・福祉】
24時間連続稼動の医療情報システム
八王子消化器病院
医療情報システムの構築サービスをリードする株式会社メリッツは、 八王子消化器病院の新システム構築にあたって、電子カルテデータ ベースにftServerを採用した。専門のシステム管理者がいない医療 現場の情報化を、ストラタスの無停止型サーバが可能にした。
IDカードの挿入によって個人データを認証。システム管理により待ち時間も軽減された
医事会計システムから、医療業務の基幹システムへ。いま、病院の情報化の潮流が大きく変わろうとしている。中でも注目されているのが「電子カルテシステム」。厚生省が指針を出したこともあり、多くの病院が導入を検討している。この潮流に応える医療情報システム構築のエキスパートが、株式会社メリッツである。300を超える導入実績を誇る医院/診療所向け電子カルテシステム「メディカルステーション」や医療の現場ニーズに応えるシステム構築力が、医療関係者から高く評価されている。メリッツの最新事例に病院の情報化の近未来を見ることができる。八王子消化器病院の医療情報システムである。
八王子消化器病院は、東京女子医科大学の主要関連病院で、消化器疾患の専門病院として有名である。この1月に八王子市内の新設備に移転。それと同時に、情報システムも一新した。
「めざしたのは、電子化による医療業務全体の効率化と患者への安全で快適な医療環境の提供です」
と当病院鈴木衛院長は語る。病院内には、ギガビットネットワークが張り巡らされ、医事会計、臨床検査、医療画像などの機能がどこからでも利用できる。CTスキャナ、レントゲン、内視鏡といった画像情報のフィルムレスをも実現した。
「これらすべての効率化の鍵となったのは、電子カルテの導入です」
カルテの役割は、診察や治療の情報記録だけではない。検査や投薬、会計などに必要な指示を記載することで、病院内の業務連絡ツールとしての役割も担っているのである。しかし、従来の紙カルテでは、やりとりにどうしても時間がかかる。その間、患者は次のスケジュールが分からず混乱したり、窓口で待たされたりすることになる。カルテの電子化によって、このような問題は一掃される。医師の指示が、診療完了と同時に各部門に確実に伝送され、薬局、検査、会計などの待ち時間が大幅に短縮されるのである。
「もちろんミスもなくなりますし、医療スタッフの負荷も大幅に軽減できます。一度始めると紙には戻れないでしょう」
まさに電子カルテが、病院内の業務基盤になるのである。しかし、それにともなって新たな問題も生まれた。
「システムが停止したとき、病院や患者が被る影響が甚大なのです。電子カルテには、24時間止まることの無いシステムが求められていたのです」。
診察の順番は全て画面によって管理、通知される
電子カルテシステムのデータベースサーバには、1日300-500名にも上る患者のカルテを扱うためのパフォーマンスと、無停止の信頼性が求められた。サーバシステムとして、メリッツが当初、提案したのは、IAクラスタシステムだった。
「当時、まだftServerは発表されていませんでした。これが現実的な選択肢だったのです」。システムの構築に携わった、(株)メリッツ第二システム部電子カルテ開発2課主任早川信広氏は語る。
IAクラスタシステムを前提にシステムプランが立てられた。しかし、技術者の間ではいくつかの懸念が生まれていた。ひとつは信頼性。IAクラスタでは、障害時のノード切り替えにも、リカバリにも手作業が必要で、時間がかかる。当然、完全な無停止、連続稼動は実現できない。また、これらの作業やシステム設定が煩雑で高度なスキルも必要な点も大きな問題だったという。
「専任のシステム担当者がいない病院のシステムでは、運用負荷の軽減は大きな課題です。しかし、この時点では具体的な解決策はありませんでした」
問題を抱えながらも、開発機が納入された。このとき、IAクラスタに対する疑念が一挙に顕在化した。
「とにかく設定に時間がかかったのです」
IAクラスタの専門家でである納入業者が組み立てて納入するまで一週間、さらに現場設定に一週間。トータルで2週間かかったという。
「これは万一の場合、我々自身が行わなければならない作業です。つまり、実際はそれ以上時間がかかるということです。これでは使えないという結論に達しました」
ちょうどその頃、ftServerファミリが発表された。非常にシンプルな構成、24時間止まらないというコンセプト、リモートによるシステム監視など、いままでのIAサーバにない特徴がすべての開発者の心を捉えた。至急検討が進められた。本番機の発注直前、大きな方針転換が決まった。ftServerの採用である。
電子カルテDBサーバとして24時間稼働するftServer5200
ftServer実稼動機の納入は2001年11月末。導入されたのは、2CPUのftServer5200だった。2GBのメモリ、ミラーリングされた18GBの大容量ハードディスク8台を搭載したパワフルなマシンである。導入決定のポイントは、この筐体に組み込まれた数々の先進技術による最高水準の連続可用性だった。
「とにかく、安定性が違います。ハードウェアだけでなく、その上で動いているWindows 2000 Advanced Server、データベース、製品、ツール、すべて安定しているのです」
実際稼動中に、メモリの使用率を定期的にウォッチしても、サーバプロセスがメモリを異常に消費するようなことはなく、1Gぐらいの使用量のまま、非常に安定しているという。万一の障害時には、ftServerの障害検知メカニズムが2重化されたCPU、メモリ、ディスクの片方を切り離すため、システムは正常に稼動を続ける。人手もいらないし、そのためのスキルも不要である。もちろん、障害原因も簡単に突き止められる。まさにクリティカルなシステムに最適なサーバなのである。
「さらに、シンプルさも大きな魅力です。シングル・ソフトウェア・イメージによって、システム開発も容易でした」
2CPU構成のハードウェアも、OSやアプリケーションからは1台に見える。クラスタシステムに不可欠な複雑な設定もミドルウェアもいらない。まさにシングルサーバの手軽さでシステム開発が行える。これはまた、同時にコストメリットにもつながる。OSやデータベースのライセンスがシングルサーバ分で済むことで、コストダウンにも直結するのである。
2ヶ月間のテスト運用後、2002年1月11日、新病院の移転とともに新たな病院情報システムが稼動を始めた。
現在、稼動状況は「すこぶる順調」とのこと。ftServerに起因するトラブルはもちろん無く、その兆候も皆無だという。2月末には、100BASE-Tからギガビットにネットワークの構成を変更したが、その移行作業も問題なく行われた。「実機を用いた検証など、ストラタスが綿密な計画を立ててくれました」。
きめ細かな技術対応が印象的だったという。最後に、鈴木院長に今後の予定を伺おう。
「今回の開発を通じて、ftServerの信頼性と運用性がもたらす効果を実感できました。今後は、他の医療システムに展開していきたいと考えています」
例えば、臨床検査サーバなどへの応用が検討されているという。ストラタスの無停止型サーバの信頼性と運用性が高度医療を支えていく。
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八王子消化器病院 院長理事 鈴木衛氏(左) |
| 株式会社メリッツ第二システム部 電子カルテ開発2課 早川信広氏(右) |
| 社名 | 八王子消化器病院![]() |
| 本社 | 東京都八王子市万町177-3 |
| 開院 | 昭和58年5月17日 |
| 診療項目 | 消化器科・外科・内科・肛門科・麻酔科・呼吸循環器、糖尿外来、人間ドック |
| 医師総数 | 20名 |
| 病床数 | 98床 |
| URL | http://www.hachioji-syokaki.com |
| 社名 | 株式会社メリッツ![]() |
| 本社 | 埼玉県川越市的場1361-1 |
| 創業・創立 | 平成元年3月1日 |
| 資本金 | 3千万円 |
| 事業内容 | 医療業界向けのシステム製品の開発、導入、カスタマイズおよび社内システム構築 |
| 従業員数 | 122名(平成14年3月現在) |
| Tel | 049-233-7099 |
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