【メディア】
カルチャーセンター、業務統合への挑戦
NHK文化センターは、全国各地の教室の基幹業務をWebシステムによって統合した。わが国最大規模のカルチャーセンターの業務統合を可能にしたのは、本社に置かれたストラタスの無停止型サーバftServerである。
NHK文化センター(東京都港区)
多様化する顧客ニーズに応える多彩なサービスと効率的な業務運営。時代が要求する経営課題に果敢に挑戦するカルチャーセンターが、NHK文化センターである。
まず、多彩なサービス。番組制作で培ったノウハウや人脈を生かして、エアロビクスやゴスペル、さらに歴史や美術をその場で体験する現地講座など、いままでのカルチャーセンターにない魅力的な講座を次々と企画、提供している。年間15,000講座にも上る豊富なメニューは、主婦層だけではなく働く女性、男性層の需要も喚起し、会員の急増につながった。教室も全国に展開。現在、全国に54の教室、30万人の登録会員を擁する、文字通りわが国No.1のカルチャーセンターに成長している。
全国に広がる組織の中で、業務をいかに効率化するか、それが今回の基幹業務システム構築のテーマだった。東京青山の本社に開発部 松岡慶氏を訪ねた。
「分散した業務とシステムが諸悪の根源でした」
全国54の教室は各支社が運営している。その業務は基本的には同一である。講座予約、受講料の徴収を行う受付業務、講座開設、講師との契約や謝礼支払いを行う講座運営業務、さらにすべての経費を管理する経理業務などだ。しかし、そのためのシステムは各支社内で独立したものだった。これにより、さまざまな弊害が生じてきたという。
「ひとつは、業務の問題。全社の情報が即座に把握できなかったのです」
データが共有化されていないために、全社レベルの資料や経理帳票の作成には膨大な手間がかかった。各支社からのFAXデータを本社のスタッフが手作業でコンピュータに打込む。ときには数十人がこの作業に忙殺されていたという。リアルタイムの情報が得られなければ、全社レベルでの効率化は難しい。各支社における顧客動向を次のサービス開発に生かすこともできない。
「もうひとつはシステムの問題。運用コストと将来への発展性が課題でした」各支社が独自に改良を重ねることで、それぞれのシステムは独自仕様になってしまっていた。ベンダーの保守サービスも、バージョンアップも支社ごとに必要だった。さらに最新の情報技術を全社展開することもできない。将来への発展性もなかった。
全社基幹業務の再構築が必要だった。効率的な業務運営に向けて、NHK文化センターは新たな挑戦を開始する。2001年12月、プロジェクトがスタートした。
3フロアーの各教室を利用して毎日約100講座以上が行われている 東京・青山教室
システム構築を担当したのはメディアシークである。技術統括マネージャー 大歳始氏にお話を伺おう。
「まず、Webによるデータと処理の集中化をご提案しました」
すべての業務データと処理機能をデータセンターに集約。各支社はPC上のブラウザを介してセンターと結ぶ。これにより本社はリアルタイムで全社のデータを把握できるし、センターマシンの変更だけで全社システムが更新できる。業務統合も、運用コストの削減、発展性も実現できるのである。「問題は業務でした。システム構築の前に業務の再構築が必要だったのです」
各支社には、仕事の手順から勘定項目まで独自のルールがあった。これらを整理し、効率的な標準業務を策定しなければならない。大歳氏たちは全国の主要な支社で調査を実施。それに基づき、業務を根本的に再設計した。さらに数百のWeb業務画面を作成し、現場との打合せを重ねた。この膨大な作業に翌年の夏までかかることになる。そして9月。システム稼動を11月に控え、まだなお難問が残っていた。システムの中核、サーバプラットフォームの選定である。
「集中化に耐えうる性能、信頼性が必要でした」
性能が問題になったのは、年間数千万件の受講データ、数百万件の経理データを管理するデータベースサーバである。全国の端末からの膨大なリクエストに応えるには、4-Way以上のパフォーマンスが必要だった。さらに重要なのが信頼性。基幹業務が集中化されたサーバがダウンしたら、その被害は甚大である。当初、UNIXのクラスタシステムも検討されたが、早期に対象から外れた。理由は復帰時間。クラスタシステムではフェイルオーバーを完了して業務を再開するまでに数分かかってしまう。全国の窓口業務を考えたとき、これは致命的だった。
ある新製品の登場がこの難問を一気に解決した。業界初のWindows2000搭載の4-Wayフォルト・トレラントシステム「ストラタスftServer 6500シリーズ」だった。
受け付けには多彩な講座資料が並ぶ
決め手は、システムのデモンストレーションだった。
「動画を再生しているシステムで、稼動中のボードを突然引き抜いたのです。しかし、処理は待機側に瞬時に引き継がれ、動画は途切れませんでした。驚きましたね」
万一の場合は、独自の障害検知メカニズムが障害を検知。完全冗長されたCPU、メモリ、ディスクなどから障害コンポーネントを自動的に切り離す。クラスタシステムのような復帰作業はいらない。このシンプルさが基幹業務に最適だと大歳氏は確信した。しかも、サポートセンターが常にハードウェアの状況を監視しているという。絶対落ちてはいけないシステムに必要な条件が揃っていたのである。
「さらに、障害復帰テスト工程が削減できる点も魅力的でした」
クラスタシステムでは、障害復帰テストという工程が必要だ。一方、ftServerでは、冗長構成のハードウェアもOSやアプリケーションからはひとつに見える。テストは不要で、開発期間が短縮できる。短期開発が必要だった今回のようなケースではこの差は大きい。
「コスト面でもメリットがありました」
Windowsベースの廉価なシステムに加えて、ソフトウェアライセンス費も節約できる。二重化されたシステムでもライセンス費はシングルの場合と同じ。ftServerなら、構築コストも運用コストも削減できるのである。
2002年9月、4-wayのftServer 6500がデータベースサーバに採用された。新しい業務手順を反映したWebシステムが構築されていった。
2002年11月、システム稼動。現在、関東地方を中心に20支社が新システムに移行し、その他の支社も2004年10月までにすべて移行する予定である。
全国54教室を結ぶWebシステムを「ダウンタイム・ゼロ」の信頼性で支えるftServer6500システム。
もちろん、導入以来、ハード的にも処理能力的にも何の問題も生じていない。最後に今回ご登場いただいたお二人にお言葉を頂こう。まず、メディアシークの大歳氏。
「基幹系で落ちてはいけないシステムが、今後ますます増えていくでしょう。Windowsベースでダウンタイム・ゼロというftServerは業務基盤に一番ふさわしいハードウェアだと思います」
そして、NHK文化センター松岡氏。
「このシステムがすべての支社に行き渡ったときには、現場で起こったことが瞬時に集計されて目の前に出てくるようになるでしょう。信頼性という当たり前のことをちゃんと具現化したftServerがあったからこそ、私たちは業務の効率化にチャレンジできたのです」
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NHK文化センター 開発部 松岡慶氏(左) |
| 株式会社メディアシーク メディアコンサルティング&ソリューション部 技術統括マネージャー 大歳始氏(右) |
| 社名 | NHK文化センター |
| 本社 | 東京都港区南青山1-1-1新青山ビル |
| 創業・創立 | 昭和53年12月1日 |
| 資本金 | 2億円 |
| 事業内容 | 教養、趣味、実用、健康等に関する各種講座の企画、 運営、各種講演会、催物の企画、実施、および受託業務、等 |
| 従業員数 | 202人(平成15年4月1日現在) |
| URL | http://www.nhk-cul.co.jp/ |
| 社名 | 株式会社メディアシーク![]() |
| 本社 | 東京都港区麻布台2丁目3番5号NOAビル |
| 創業・創立 | 2000年(平成12年)3月1日 |
| 資本金 | 814,962千円(2009年1月31日現在) |
| 事業内容 | 情報配信サービス事業、ビジネスソリューション事業 (ビジネスコンサルタント業務、システムソリューション提案業務)、 ビジネスデベロップメント事業(共同事業、 マーケティング 開発等)、海外事業 (海外進出コンサルティング等) |
| 従業員数 | 46名(2009年1月31日現在)・グループ従業員数156名 |
| URL | http://www.mediaseek.co.jp/ |
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