【製造】
自立するラインのための生産管理システム
いすゞ自動車の主力生産拠点である藤沢工場は、プレス工場、樹脂工場の生産管理システムを一新した。めざすのは「自立したライン」。個々のラインの合理化でさらなる生産性向上をめざす藤沢工場の挑戦を支えたのは、ストラタスの無停止型サーバftServerである。
いすゞ自動車は、トラック、バスなどの商用車とディーゼルエンジンで世界をリードする自動車メーカーである。90年代に低迷した業績も、2002年の中期経営計画「V PLAN」による生産拠点の集約・統合、調達コストの削減などで劇的に回復し、企業再生の成功事例として国内外から注目されている。
今回訪問したのは、そのいすゞ自動車の藤沢工場である。小型車ライン,拠点統合で旧川崎工場から移管された大型トラックと従来からの中型車との同一生産ラインを有する主力生産拠点だ。新生産管理システムが導入されたのは、この藤沢工場の中で内製部品を組立工場に提供する2つの工場、プレス工場と樹脂工場である。
「発端はシステムの老朽化でした」
と語るのは、いすゞ自動車のシステム企画部生産システムグループシニアスタッフ 深澤和成氏。拠点統合時のシステム再編成にも携わった方である。深澤氏は、ハードウェアの更新に留まらず、新たな価値を付加しようと考えたという。
「まず、システムの一元化です」
拠点統合後のシステム再編成は組立系ラインが対象。プレス・樹脂などは手付かずで、小型車用と大型車用の生産管理システムが混在していたのである。システム基盤もホスト、オフコン、PCとバラバラだった。ダウンサイジングや業務連携、保守作業を考えれば、システム環境の一元化が急務だった。
「そして、生産管理の“自立化”です」
従来の生産管理では、主体性は「お客さま」である下流工程にあった。プレス・樹脂は、下流工程から必要な部品の生産指示を受取るだけだったのである。しかし、世界各地の生産拠点へのノックダウン部品、サービス部品の供給が増え、状況は変わってきた。より多くの「お客さま」のニーズに応えるために、下流工程に左右されない生産管理のしくみが求められ始めたのである。
「もちろん、業務の自動化も不可欠でした」
人のノウハウだけに頼っていては多様化するニーズに応えられない。MRP(資材所要量計画)などの立案を支援するシステムが必要だった。
2004年の年末、プロジェクトの認可が下りる。プレス・樹脂の生産管理を一新する新たなシステムの構築に向けて、深澤氏をはじめとするシステム企画部の挑戦が始まった。
ftServer導入のポイントは何か。ひとつは、高信頼性。実は、いすゞ自動車では、かつてUNIXに対応したストラタスの別の無停止サーバ機を導入したことがあった。深澤氏は当時を語る。「ストラタスからの電話で初めてサーバの障害を知ったのです。もちろん業務は一瞬も中断しませんでした」ハードウェアの2重構成によって、万一の場合、障害検知メカニズムがCPU、メモリ、ディスクを瞬時に切り替える。このしくみは、Windows版の ftServerも変わらない。ラインを止めない信頼性は、すでに業務で実証されていたのである。次に、パフォーマンスと拡張性。MRPは膨大な部品データをバッチ処理するシステムだ。必然的に高い処理能力が求められる。データは増え続けるから、拡張性も欠かせない。これらの点もftServerは難なくクリアした。高い基本性能に加え、CPUやメモリもシームレスに増設できるのだ。 ftServerの採用が決まり、要件定義が始まったのは、2005年の1月。ユーザ部門のキーマンとともに、現場の段取りとパッケージとの整合性を取り、業務の流れを決めていく。この地道な作業に3ヶ月を費やしたという。 4月からは本格設計。パッケージの機能を組合せながら、業務に合わない部分を洗い出し、カスタマイズする。クオリカのアウトソーシング事業部北田基樹氏は、ftServerは効率的な開発にも貢献したという。「技術者に馴染みがあるWindowsマシンなので、開発環境が作りやすいのです」翌2006年の3月に樹脂工場、5月にプレス工場の生産管理システムが本番稼動を始めた。
システムの概要を紹介しよう。MCFrame AEPartsを搭載した生産管理サーバがプレス・樹脂、それぞれの工場(複数ライン)向けの生産計画を作り、指示を出す。作業実績は現場のPOP端末からPOPサーバに送られ、計画と対照される。生産管理サーバとしては2CPUのftServer5600、POPサーバは1CPUの ftServer3300が導入されている。
両工場向けにコントロールセンターも新設された。部品工場が自らのラインを管理する体制ができたのである。職人技の世界を管理するこの自立的な生産管理システムは「匠くん」と名づけられ、他ラインへの展開も計画中だという。
ftServerについての評価をいただこう。まず、クオリカの北田氏。
「クラスタ・システムと違い冗長構成を意識せずにシステム構築に専念できます。開発者にとっても最適なサーバです」
最後に、いすゞ自動車の深澤氏。
「Windowsマシンでありながら、倒れない。万一の場合も人手を介さずに復旧する。止まることが許されない生産現場にとって、ベストな回答でしょう」
いすゞ自動車株式会社 生産管理システム概要図
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いすゞ自動車株式会社 システム企画部生産システム グループシニアスタッフ 深澤和成氏(左) |
| クオリカ株式会社 アウトソーシング事業部ビジネス企画室アウトソーシング推進グループ 北田基樹氏(右) |
| 社名 | いすゞ自動車株式会社![]() |
| 本社 | 東京都品川区南大井6-26-1 |
| 藤沢工場 | 神奈川県藤沢市土棚8 |
| 創業・創立 | 1916年・1937年4月 |
| 資本金 | 406億4400万円(2006年3月末現在) |
| 事業内容 | 大型・中型・小型トラック、バス、自動車用ディーゼルエンジン、 産業用ディーゼルエンジン |
| 従業員数 | 連結:22,536人 単独:7,371人(2006年3月末現在) |
| URL | http://www.isuzu.co.jp/ |
| 社名 | クオリカ株式会社![]() |
| 本社 | 東京都江東区東陽5-29-15 |
| 創業・創立 | 1982年11月1日 |
| 資本金 | 12億3460万円 |
| 事業内容 | ソフト受託開発 パッケージソフト開発・販売 システム運用・サービス/システム機器販売 |
| 従業員数 | 749人(2006/5月現在) |
| URL | http://www.qualica.co.jp/ |
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