【金融】
革新の証券フロントシステムを無停止型 Windows サーバで構築
新光証券は証券フロントの機能を強化しながら高い信頼性を持つ債券ディーリングシステムをストラタスの無停止型 Windows サーバで構築した。 従来の基幹系以上の信頼性を持つストラタスの無停止型 Windows サーバ( ftServer )13台が連携する大規模オープン系システムの高信頼性を支えている。
金融の自由化以後、急成長している債券市場。この市場における競争力向上のために新たな債券ディーリングシステムを構築したのが、リテールからホールセールまで幅広い金融商品・サービスを提供するフルライン型の総合証券会社、新光証券である。「多様化する証券市場で収益率を上げるためにフロント業務の機能強化が急務だったのです」と、新光証券IT戦略部テクノロジー室部長 井黒正春氏は、今回のシステム構築の目的を語る。
従来、約定の入力から管理に関しては、汎用機ベースのシステムが使われていたが、資金ポジションの管理やプライシング、シミュレーションなどのフロント業務は、個々のディーラーに任されていた。収益を挙げるためには、すべての取引の損益・リスクをディーラーが管理し、分析できる環境が求められていたという。
さらに注文から決済までの一貫処理、いわゆるSTP化も大きな命題だった。人手を介さない連携処理の実現により、業務のコストやリスクを減らすことができる。リスク軽減のために、ディーラーの約定を上司が承認するワークフロー機能も必須だった。
債券系商品の統合管理、損益・リスク分析からSTP対応、ワークフローまで。これだけの機能を持ったシステムをどう構築するか。汎用機での構築は考えられなかったと井黒部長は語る。
「開発にも汎用機の維持にも膨大なコストがかかります。新しい商品や制度への対応も難しいのです」
2002年、オープンシステムによる債券ディーリング業務の構築が決まる。システム構築のパートナーとして選ばれたのは、金融フロント分野に実績を持つシンプレクス・テクノロジーだった。
シンプレクス・テクノロジーは、新光証券の要望にどのように応えたのか。同社の金融フロンティアグループ丸山昌弘氏にお話を伺った。「収益を極大化するための環境と業務効率の向上に直結するデータ連携です」
シンプレクス・テクノロジーの金融フロンティアソリューションでは、現物、先物、オプション、外債デリバティブなど、多彩な商品を一元的に管理できる。さらにそれらの損益、リスクをさまざまな手法で分析することもできる。これにより、収益の向上に貢献するのである。
さらに、データ連携。シンプレクス・テクノロジーは、Javaメッセージサービスを利用したワークフローがフロント業務からバックオフィス業務までをシームレスにつなぐ画期的な技術をもっていた。これにより、すべての処理がリアルタイムに連携できるのである。
これらの機能は Windows2000 をプラットフォームとするサーバ間の連携によって提供される。
今回の債券ディーリングシステムは、データベース、計算エンジンに加えて、業務やシステム機能ごとのサーバ、総計13台が連携する大規模なものになった。問題はこのサーバシステムのプラットフォームの信頼性とパフォーマンスだったと井黒部長は語る。「債券取引では一瞬の取引により利益が大きく左右されます。サーバが停止したりパフォーマンスが低下したりすることは許されないのです」
IAサーバによるクラスタリングシステムも検討されたが、問題が多かった。システム構築では縮退運転時のパフォーマンスなどを考慮しなければならず、複雑なプロセス設計が必要になる。運用にあたっては、きめ細かな運用手順を整えなければならずシステム管理者の教育、訓練も欠かせない。さらに万一障害が起きた場合は、システム切替の時間が必要で可用性のレベルも低い。「もちろん、コストも問題でした。クラスタリングシステムではサーバもアプリケーションライセンスも倍の数、必要なのです」
この問題に対するシンプレクス・テクノロジーからの答えは、ftServerの導入だった。
債券ディーリングシステムのプラットフォームとして、ftServerはさまざまなメリットをもたらしたという。
まず、信頼性。メモリ、ディスク、ネットワークなど主要コンポーネントが2重化され、障害時には自動的に障害コンポーネントが切り離される。片系コンポーネントは業務を継続するため、障害による業務引継ぎのフェールオーバタイムは一切発生しない。これによりクラスタリングシステムを上回る連続可用性を1台で実現できるのである。しかも、この冗長性は、ユーザや管理者の負荷を大幅に下げる事にもなる。
「障害時もユーザが気付かないうちに切り離しが行われるので業務に支障が出ません」
部品交換もリブートせずに行える。立ち上げるときも特別な手順がいらない。管理業務も大幅に省力化されたと井黒部長は語る。
そして、開発効率。ftServerでは、OSやアプリケーションからは2重化されたハードがひとつに見える。クラスタリングシステムのような特別なプロセス設計や構築作業がいらないため、スピーディな開発が可能になるのである。
「今回は、現場のディーラーを交えたシステム要件の定義に時間がかかり、実際の開発期間は大幅に短縮する必要がありました。クラスタリングシステムではこのような短期開発は難しかったでしょう」と丸山氏は、開発当時を振り返る。
2004年4月5日、新光証券の新債券ディーリングシステムの第1フェーズが稼働を始める。
現在、13台のftServerは、24時間365日ダウンすることなく、稼働し続けている。もちろん、債券ディーラーたちは、連日このシステムをフル活用している。
「まず、使ってもらう。実際のフロント業務の中で使いやすい機能にしていこうと考えています」と井黒部長。現在は第2フェーズの開発が進められている。カットオーバーは2005年1月の予定だ。
最後に、ftServerについての評価を伺おう。まず、井黒部長から。
「可用性という点ではクラスター構成のUNIX、Windowsよりも遥かに優れていますね。他の基幹系システムのダウンサイジングでもftServerが最優先候補となるでしょう」
最後に、システム開発と運用に携わったシンプレクス・テクノロジーの丸山氏。
「収益に直結する市場系システムでは信頼性、可用性そして迅速な展開が必須要件です。一方、オープン化の潮流は止めようがない。このふたつを両立できるftServerには他にないアドバンテージがあるといえるでしょう」
ハード面の問題に煩わされることなく、ユーザニーズに応える金融ソリューションの構築に専心できる。そのメリットが大きいということである。
新光証券株式会社管理システム データフロー概念図
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新光証券株式会社 IT戦略部テクノロジー室部長 井黒正春氏(左) |
| 株式会社シンプレクス・テクノロジー 金融フロンティアグループ バイスプレジデント 丸山昌弘氏(右) |
| 社名 | 新光証券株式会社![]() |
| 本社 | 東京都中央区八重洲2丁目4番1号 |
| 設立 | 大正6年7月 |
| 資本金 | 125,167,284,538円 |
| 事業内容 | フルラインナップ型サービスを提供する総合証券業 |
| 従業員数 | 4,070名 |
| URL | http://www.shinko-sec.co.jp/ |
| 社名 | 株式会社シンプレクス・テクノロジー |
| 本社 | 東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目ビルディング15F |
| 設立 | 1997年9月 |
| 資本金 | 2億6,785万円 (2003年3月末時点) |
| 事業内容 | 金融機関向けディーリングシステムの受託開発 |
| 従業員数 | 91名 |
| URL | http://www.simplex-tech.co.jp/ |
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