【流通】
分散から集中へ。すかいらーく、3000店舗の受注を処理する基幹業務システムをデータセンターで運用。
すかいらーく
国内の外食産業のリーディング企業のすかいらーくグループ。テーブルレストランで世界一の規模を誇る「ガスト」や「バーミヤン」など和洋中の様々なレストランで直営チェーン店業態は12を超え、さらに成長著しい中食やルームサービス(デリバリー業態)を提供。さらに小僧寿しやジョナサンなどのチェーン店の外食業態を展開している。2004年12月、すかいらーくグループが、国内3000店を越える直営店舗と本部、さらに全国12個所の集中調理工場(セントラルキッチン)を結ぶ大規模店舗ネットワーク網を構築し、センター集中型に切り替えた。その狙いは何か。東京武蔵野市のすかいらーく本部に、SD推進室情報システムチームリーダー三瓶隆美氏を訪ねた。
「第一はコストの削減です。膨れ上がるITコストを抑えたかったのです」
それまでのシステムは、各店舗に置かれたストアコンピュータ(ストコン)による分散処理方式だった。各店舗の売上や発注データはストコンによって処理され本部に送られる。この方式は店舗システムに多大な運用コストと負担がかかり、店舗の増加でITコストも増加するという問題があった。成長を続けるすかいらーくグループにとって、店舗増がコスト増に結びつかないしくみの構築が急務だった。「さらに情報のリアルタイム活用も重要なポイントでした」
従来のシステムではストコンから本部への配信は1日に1回。本部は翌日までデータを把握できず、日々場所によって変化するお客様の動向をすばやく把握できなかった。店舗の現場データをより早く経営トップに知らせるしくみが必要だった。ITコストの管理と情報のリアルタイム活用。この2つのニーズに応えるためにシステム構成を抜本的に見直す必要があったと三瓶氏はいう。
「結論は、データセンター集中型のシステムでした」光ファイバーによる常時接続の高速ネットワークで店舗、本部、工場を結び、本部側にセンター集中型の大きなデータベースを作り、店舗側システムをシンクライアント化。システムの構築と運用コストを大幅に削減しながら、情報のやり取りをリアルタイムに行うという発想だった。日本最大規模の店舗ネットワークの再構築がスタートした。
本部側のシステム構築を担当するパートナーにはビック東海が選ばれた。
すべての店舗データを持つ大規模データベースをビック東海のデータセンター内に構築し、ブロードバンド回線で全てのグループ店舗と接続、関連工場ともインターネットVPNで接続した。「データセンターに集約したシステムで基幹業務を行うには何よりシステムの信頼性が重要です。そして環境の変化に柔軟に対応できるシステムである事も大変重要です」ビック東海 SI事業部のセールスアシスト部部長内田修司氏は語る。
各店舗と工場を結ぶ受発注のサーバには高い信頼性が要求される。受発注処理は外食産業にとって基幹業務であり、集中処理を行う本部サーバが停止した場合は全国の店舗処理も止まってしまうのでインパクトが大きい。このプラットフォームには24時間365日、絶対の信頼性が求められる。
すかいらーくの三瓶氏は話す。「予定していた食材や料理が届かず、お客様がオーダーしたものが出せなかったら致命的です。発注処理はレストランにとって生命線です」。
さらに近年の基幹業務システムでは柔軟性も大きなキーポイントとなる。取り扱い商品が変わる、発注先が変わる、など企業を取り巻く環境は激しく変化する。コストをセーブしながら変化する環境と変化する顧客ニーズに柔軟に対応するには、やはりオープン系のシステムでパッケージを活用する手法が柔軟性が高い。
信頼性と柔軟性がキーポイントになるので、ビック東海はストラタスの無停止型サーバftServerを提案した。すでに同様のシステム構築の経験があったからだ。
高速ネットワークを活かした集中型システムをデータセンターで一元管理し、システム運用をビック東海のデータセンターにアウトソーシングすることにより、すかいらーくはシステムの固定費を削減しながら調達から物流までのリードタイムを減少し、顧客のニーズに素早く対応することに成功した。すかいらーくはビック東海の高いシステム構築力と運用力に全幅の信頼を寄せている。
ftServerの特徴は、まず、99.999%以上の実績を持つ可用性にある。ハードウェアの2重冗長化によって、万一の場合でも障害の発生した CPU、メモリ、ディスク、電源などのユニットが自動的に切り離されるだけでユーザーは障害に気づくことなく業務を継続できる。障害検知メカニズムにより故障の発生が自動通知されるので保守も安心である。
さらに、ビック東海 SI事業部の営業一課課長塩出隆清氏は、システム構築のしやすさも大きな魅力だという。「2重化されたハードウエアがOSやアプリケーションからはひとつに見え意識しなくてよいので、アプリケーションの構築が容易なのです」
ftServerは通常のパッケージがそのまま動作する、そしてそのまま高信頼性を実現できる、極めて柔軟性のある高信頼オープン・サーバなのだ。
受発注業務用として、様々な基幹業務構築で実績のあるビック東海のEDIパッケージJFTが採用された。ftServerでもそのまま動作するので導入から運用まで特別な設定やテストは必要ないという。
JFTは企業内および企業間のデータ交換を行うEDIパッケージで、流通・小売・外食・金融を初め多くの業界で採用されている。受発注をリアルタイムで行い在庫の全体最適化を行いたいなどJFTに対する需要が高まっており、信頼性を容易に実現できるftServer上で使用されるケースが増えている。
2004年の12月、グループ全店舗で新しい店舗システムが本格稼動した。
各店舗の従業員は、シンクライアント化されたストコンを介して、売上、勤怠管理、発注といった業務を行い、その処理のすべてはデータセンタに送られ、集中処理されるようになった。また、データセンター内に設置された2台のストラタスftServerは、全国3000店から集中するオーダーすべてを何の問題もなく処理している。
すかいらーくでは、発展するビジネスに合わせて小僧寿しチェーン用にもftServerを導入、さらにポイントカードシステム用にもftServerを導入した。変化するビジネス環境に合わせて柔軟に対応でき、迅速な導入ができる。そして、顧客にサービスを提供し続けるための信頼性を持つプラットフォームが必要。それが外食・流通・物流業界の基幹業務用にも広く採用されるようになってきたftServerの強みである。
すかいらーくの三瓶氏は、「ftServerはシステムが稼動してから、何の問題も起きていませんし、システム障害が起きるとは思っていません。そのくらい信頼性があります」と語る。
現在、三瓶氏は工場側のシステムを今回の本部・店舗ネットワークに融合させることで、リアルタイム処理をさらに推し進めようとしている。
「工場の在庫や受注まで瞬時に分かるシステムが理想です。現場の情報をトップに伝えるのが我々IT部門の使命です」
システムの集中化に平行して、すかいらーくグループではグループ内のIT部門の人的リソースを集中化、サービスを各社に提供するシェアードサービスを実施している。業務の効率化だけでなく人と人とのつながりを作る効果も生まれているという。
「ネットワークをつなぐということは、人と人をつなぐということなのです」
すかいらーく3000店舗の従業員がつながることいにょり、すかいらーくはさらに進化しようとしている。これは外食産業の経営革新であり、顧客に最高のサービスを提供するためのイノベーションである。
株式会社すかいらーくシステム概要図
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株式会社すかいらーく SD推進室 情報システムチームリーダー 三瓶隆美氏(左) |
| 株式会社ビック東海SI事業部 セールスアシスト部部長 内田修司氏(中) |
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| 株式会社ビック東海SI事業部SI営業二部 営業一課課長 内田修司氏(右) |
| 社名 | 株式会社 すかいらーく |
| 本社 | 東京都武蔵野市西久保1-25-8 |
| 創業・創立 | 1962年4月1日 |
| 連結売上高 | 3,793億円(平成17年12月期) |
| 事業内容 | フードサービス事業全般、その他周辺事業 |
| 従業員数 | すかいらーくグループ 正社員 6,855名/ 準社員(8時間換算) 44,887名(平成18年6月末現在) |
| URL | http://www.skylark.co.jp/ |
| 社名 | 株式会社ビック東海 |
| 本社 | 静岡県静岡市葵区常磐町2丁目6番地の8TOKAIビル |
| 創業・創立 | 1977年3月18日 |
| 資本金 | 235億円(平成18年3月期) |
| 事業内容 | システムインテグレーション事業、ネットワークソリューション事業、 アウトソーシング事業(ハウジング、ホスティングを初めとする データセンター事業、ASP,MSP)、放送事業ほか |
| 従業員数 | 900名(平成18年3月31日現在) |
| URL | http://www.victokai.co.jp/ |
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